【企業法】設立「設立中の会社・発起人の権限」
今日は会社法の設立部分を学習しました。
その論点の1つに「設立中の会社・発起人の権限」についてまとめてみます。
最狭義説にたって考えます。
【事例】
設立手続中のA会社の発起人Yの依頼により、株式募集広告をXが100万円で行った。
当該100万円が未払いのまま、A会社は成立した。A会社成立後、Xは誰に対していくらの支払い請求をすることができるか。なお、A会社の定款には、設立費用として広告料が80万円と記載されていた(過去に検査宅の調査を受けている)。
【結論】
XはYに対して100万円を請求することができる。
なお、YはA会社に対して定款既済額の0万円を限度として求償することができる。
【論点】
A会社には未履行の設立費用債務がある。
ここで、その債務はA会社と発起人Yのいずれに帰属するかが問題となる。
【規範定立・あてはめ】
1.設立費用は発起人に帰属する。
2-1.なぜならば、発起人の権限は、会社設立自体に法律上必要な行為に限られると解される。
ここで、設立費用は、会社設立に事実上、経済上必要な行為であって、会社設立自体に法律上必要な行為ではない。
とすれば、設立費用は発起人の権限外の行為であるため、会社には帰属しない。
2-2.また、このように考えることは、設立費用に関し厳格に規制し、成立後の会社の財産的基礎を確保しようとした会社法の趣旨と照らして妥当である。
3.よって、本件の未払い債務は発起人Yに帰属する。
以上
ざっくりとこんな感じになります。
本日の学習記録
財務会計論―CF計算書
企業法―設立